Case Examples
〜 解析事例 〜
業界別解析事例
自動車・輸送機械
トランスミッション内のオイルかき上げ解析
株式会社ユニバンス
複数のギヤが回転することによってオイルがかき上げられ、トランスミッション内に飛散する様子を解析しています。
着目箇所のオイル量の測定の他、流体力により生じるシャフトのトルクも評価が可能です。
エンジン用ブリーザーシステムのオイル分離挙動シミュレーション
株式会社本田技術研究所
芳賀誠ら, Honda R&D Technical Review Vol.26 No.2
ブリーザーチャンバー内の気流からオイルミストが分離する挙動を解析しています。
実験可視化結果と比較することで、オイルの飛散や分離過程の傾向が定性的に一致することを確認しました。
粒子法によるエンジン潤滑油中の気泡挙動シミュレーションに関する研究
株式会社本田技術研究所
エンジン潤滑油が流れる際の内部に存在する気泡の挙動を解析しています。
泡の移動と消滅に関して、現象を簡略化した実験とシミュレーションの相関検証をおこない、良好な相関が得られました。
ギヤオイル撹拌による気泡発生解析
ギヤが回転することで気泡が発生し、オイルの流れに乗って移動していく様子を解析しています。
冠水路走行解析 Particleworks×RecurDyn連成
車両が冠水路を走行する際の水浸入の様子を解析しています。RecurDynと連成することにより冠水路走行時の車両のサスペンションのモーションも考慮することが出来るので、より現実に即した評価が可能です。
*This model has been developed by The National Crash Analysis Center (NCAC) of The George Washington University under a contract with the FHWA and NHTSA of the US DOT
水はね解析 Particleworks×RecurDyn連成
水たまり上を車両が走行する際に跳ね上げる液体挙動を解析しています。
アンダーボディーへの衝突箇所を評価することが出来ます。
*This model has been developed by The National Crash Analysis Center (NCAC) of The George Washington University under a contract with the FHWA and NHTSA of the US DOT
ピストンオイルジェット解析
上:解析結果をベクトル表示しています。
下:解析結果に対しレンダリング処理を行っています。
ピストンヘッドを冷却するためのオイルジェットの様子を解析しています。オイルジェットの衝突箇所と熱伝達係数の出力から、ピストンヘッドの冷却性能を評価することが出来ます。
パワートレイン内オイル掻きあげ解析
本解析では、直径約20cm、回転数300rpm程度のデフギアから、回転数約1000rpmのドライブギアまで、大きさや回転数の異なる3つのギアの挙動によりエンジンオイルがどのように振舞うかを見ることが出来ます。注目すべき点としては、ギアによって掻き上げられたオイルが機構上部から流れ込む様子が見て取れる点です。同時に、オイル量や流路を妨げる部材の取り付け位置によっては、オイルが流れ込みにくい現象が確認できます。
【解析条件】
領域:50cm x 30cm x 40cm / 時間:11秒間(但し、ムービー再生速度は約1/2)/ 総粒子数:約50万
上:流体は粒子表示とし、速度分布をカラーコンターで示しています。
下:解析結果に対しレンダリング処理を行っています。
燃料タンクスロッシング解析
車両走行を想定した外力加速度を加えることにより燃料タンク内の燃料挙動を再現しています。バッフル板の有無による燃料挙動を比較することで、その効果を評価することが出来ます。
給油時の燃料吹きこぼれ解析(気液二相流解析)
FVM(Finite Volume Method:有限体積法)を用いた気流解析と、MPSによる液体解析と連成させることにより、気液二相流を効率的に解析できます。燃料を給油する際、タンク内のエア―抜きをブリーザーチューブにより行いますが、給油流量が増加すると抜ききれなかったエアーの影響により燃料が逆流する現象が確認できます。
遊星ギヤ装置内のオイル挙動解析
複雑に回転運動する遊星ギヤ装置内のオイル挙動を解析しています。遊星ギヤの回転によってオイルがかき乱され、装置内部全体に行き渡っている様子が確認できます。着目する箇所に十分な量のオイルが潤滑しているかを評価することが可能です。
ボールベアリング内のオイル潤滑解析
回転するボールベアリング内へオイルが浸入する挙動を解析しています。ベアリング内が充分にオイルで潤滑されているか評価できる可能性があります。
電気・機械
モーターへのオイル噴射解析
オイル噴射方法を変更することによって、コイルエンドへ衝突後のオイル挙動を比較しています。
コイルエンド表面を流れるオイルの熱伝達係数を出力することで、モーターの冷却性能を評価することができます。
油冷モータのオイル冷却解析
モータ冷却のため、冷却用オイルを噴射し、コイルエンドへの衝突後のオイルの挙動を解析します。冷却用オイルがコイルエンドを冷却し、温度が低下している様子が再現されています。効率的なオイル冷却方法などを検討することが可能です。
鉄鋼・金属
連続鋳造ロール間スプレー水挙動解析
新日鐵住金株式会社
*解析結果に対しレンダリング処理を行っています。
鉄鋼連続鋳造プロセスにおける冷却のためのスプレー水の挙動を解析しています。
周囲が凝固した鋳片を支持するロール間には冷却のためのスプレーを配置しますが、ロールやスプレーの配置によって冷却の不均一性を評価することが出来ます。
二軸スクリュ押出成形解析
株式会社日本製鋼所
解析条件
【物性】密度:水>1000kg/m^3 動粘性係数:5e-2m^2/s 表面張力:off
【DF移動条件】スクリュの回転速度:30rpm
【粒子径】2.5mm
【粒子モデル化】総粒子数:最大約7万粒子
二軸スクリュから押し出される高粘性流体の挙動を解析し,混錬具合を可視化しています。形状や押出条件を変更した場合の挙動の比較が可能です。
下:解析結果に対しレンダリング処理を行っています。
流体ー剛体連成による金属くずの洗い流し解析
剛体粒子でモデル化した金属くずを、流体で押し流す様子を解析しています。
素材・素形材
濾過装置の形状最適化解析
濾過精工株式会社
MPS粒子法による流体解析を利用した濾過装置の形状最適化
日本機械学会第12回最適化シンポジウム, (2016)
Particleworksと最適化ソフトウェアOptimusを用いて濾過装置の形状最適化を行い、濾過に使用するフィルター有効面積の最大化が実現されました。詳しい資料をご希望の方は「濾過装置の形状最適化解析事例希望」と明記の上、下記よりお問合せください。
深いボルテックスを考慮した撹拌槽解析
三菱ケミカル株式会社
遊星ミキサによる粉粒体と液体の混合解析
本事例では、遊星ミキサにより固体粒子と流体が攪拌されるシミュレーションを示します。液体よりも比重の軽い固体粒子を用いることにより、流体に浮いていた固体粒子が遊星ミキサにより液体中に攪拌混合される様相が観察されます。
固体粒子を含む流体(固液混相流:スラリー流)は研磨剤などに使用され、固体粒子濃度が高いほど、見かけ上の粘性が高くなるという性質があります。このような固体粒子の挙動を数値的に解析する手法として、離散要素法(または個別要素法)(DEM:Discrete Element Method)があります。この方法は粒子間あるいは粒子と壁面の衝突、および衝突時の摩擦等を考慮して、粒子の挙動を追跡するものです。
*Particleworks(MPS法)と離散要素法の連成解析には別途Granuleworksのライセンスが必要です。
高粘性液の攪拌(CGレンダリング表示)
プラスチック材料やゴム材などは成形、加工性に優れ、多くの工業製品に用いられています。これらは粘性が高く、製造工程中に空気を巻き込みますとなかなか空気が抜けず、この状態で固まりますと本来材料が持つ特性を損なうことがあります。そのため、攪拌により空気を抜く、すなわち脱泡を行います。本解析では回転方向が互い違いとなる3枚の攪拌翼により高粘度液が攪拌される様相を解析しています。粒子法はこのような高粘度の流動に対して安定かつ少ない計算工数での解析が可能です。
*解析結果に対しレンダリング処理を行っています。
タンクのスロッシング
タンクを加振した際の内部の液体挙動を解析しています。自由表面の複雑な変化を捉えていることが確認できます。タンク内壁にかかる圧力も求めることが可能です。
Ver7.0新機能 共役熱伝導解析機能
Particleworks7.0では、伝熱解析について機能追加や性能改善が行われました。
本解析のような金型冷却解析において、製品および冷却水(流体)と、金型(構造物)間での熱伝導解析が可能になります。粒子の温度変化だけでなく、金型(構造物)の温度変化も断面コンター表示により確認ができます。
パドルニーダー:粉粒体と流体の混練・分散
【ParticleworksとGranuleworksの連成シミュレーション】
パドルニーダーを使って粉粒体の加湿を行った事例です。粉粒体を撹拌しながら、高粘度の液体を添加しており、どのように液体が均一に粉粒体と混ざっていくかを知ることができます。
上:温度分布や流体分布、混合度などを評価しています。
下:解析結果に対しレンダリング処理を行っています。
ゴム混練機への適用
ゴム混練機には、ゴム原料や配合剤/充填剤などを短時間で均一的に混ぜ合わせることが求められます。粒子法による解析で、混練の状況を可視化しその挙動を評価しています。
食品・生活関連
コーヒーカップのスロッシング解析
コーヒーカップを振動させた際のコーヒーの挙動を解析しています。
コーヒーの飲み口の形状の違いで、コーヒーのあふれる挙動が異なることが確認できます。
食器洗浄機解析
汚れが付着した食器に水流を衝突させ、その汚れが落ちる様子を解析しています。
噴射条件等を検討することが出来ます。
高圧洗浄機によるタイル面の汚れ除去解析
タイル面に付着した汚れ(泥を模擬)を高圧洗浄機で除去する様子を解析しています。
噴射条件等を検討することが出来ます。
塗料のノズル塗布解析
塗料がノズルから噴射され、壁面に塗布される様子を解析しています。
ノズルの形状により、塗布された塗料の厚さ、幅などを検討することができます。
医療・製薬
Coming Soon……
土木・建築
Debris flow simulation on the debris flow breaker
by coupled analysis of rigid body and fluid
Disaster risk reduction Planning Workshop, NPO, Tokyo, Japan
Hajime Ikeda, Takanori Ito
社会基盤・エネルギー
立方体後方に生じる乱流
乱流とは渦を伴い、時間および空間的に不規則に変化する流れを言いますが、このような乱流現象に対して、数値解法を用いて直接解くためには非常に高い空間解像度(格子を用いた手法ではレイノルズ数の9/4乗のオーダーの格子数)を必要とします。そのため、工学的な問題を解く場合には、空間的あるいは時間的な平均化を施した数学モデル(乱流モデル)を使用します。粒子法における乱流解析でも乱流モデルを使用します。本解析では立方体形状の障害物後方の乱流をシミュレーションした結果を示しています。障害物後方に発生する渦などが観察できます。